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インターバルタイマリモコンを使いやすくする [天文機材・道具・雑記]

マルチインターバルタイマリモコン2(SMD版)ですが、1月の記事の斜め背後からリモコン受光部への信号発光はアイデア倒れで、応急的に自由雲台ごとカメラから外し、三脚に取り付けて受光できる位置に置く対処をしていました。
さすがにこのままでは使い勝手が悪いため今回改良しました。

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家にあった短いプラ板をやめて、適度な長さに切ったアガチス工作材にしました。
これを、袈裟懸けするように傾けてリモコン受光部に向けました。

blog0422.JPG
赤外線LEDをリモコン受光部の正面近くに向けることで、撮影を確実なものとしました。

さらに今回カメラをいじっていて気が付いた事なんですが、このリモコンはML-L3のように全押し状態を保持できず長時間露出が出来ないと思っていたんですが、D50のリモコンモードを「2秒リモコン」に設定すれば約1~10分(1分単位)、約15~40分(5分単位)の長時間露出が可能でした。(1月の記事内容に誤りがあったことをお詫び申し上げます。)

今頃気が付くのも遅すぎますが、つまり何でしょうかこれは天体用のニコンD810Aと同じ機能を備えていると言っても過言では無いのでは?。
これで、撮影は一段と楽になりそうです。

でも、この様な機材に木工工作となると、さらに見た目は一段と貧乏っぽい感じが否めません。
そもそもブログを初めてから16年の間、望遠鏡もカメラも変わってない事がなんだか急に恥ずかしく思えてしまいました。


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マルチインターバルタイマリモコン2(SMD版)キット [天文機材・道具・雑記]

16年前のニコンD50は、設定時間間隔で撮影を行うインターバルタイマーの設定や長時間露出が出来ません。純正アクセサリーのリモートコードMC-36Aは上級機にしか取り付けられませんし、サードパーティ製品も取り付きません。そもそも、インターフェースが無いので、リモコンのML-L3で、ひたすらキッチンタイマーと睨めっこするしか方法がないのです。
極寒の中で短時間露光、多数枚撮影するには堪えられません。
そこで、この苦行から脱するために、ニコンD50に対応しているマルチインターバルタイマリモコン2(SMD版)キットを組み立てて利用することにしました。

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斜め背後から受光部へ信号発光となりますが、テストではこの位置でも十分に作動しました。
2022/6/25追記)
この位置では、夜間の本番撮影で作動しませんでした。

半田ごてを久しぶりに使ったので緊張しましたが、LEDと電源コードをつなげる程度で非常に組み立ては簡単。
家にあったホットシュー用自由雲台にプラ板を取り付け、そこへ固定しました。

blog0415.jpg
この電池ボックスはスイッチ付きなので便利です

電池ボックスはキットに含まれていませんでした。電源は3Vなので、単4乾電池2本用のものを用意して同じプラ板上に固定しました。
基板のプッシュボタンを押すたびに、7セグメントLEDが「0→1→2→・・・→9、A→・・・→E→F」と変化し、それぞれ1~10秒、15~40秒(5秒単位)のインターバル時間の設定ができます。
その設定後、信号の送信が始まります。

blog0416.jpg
写真の7セグメントLEDの表示「 E 」の文字は35秒の意味

このキットは、微速度撮影(タイムラプス)や比較明合成用で、設定時間間隔でシャッターを切ってくれるのみで、リモコンのML-L3のように全押し状態を保持してくれません
つまり、長時間露出が出来ません。(←ここ注意)

ではどのように利用しようと考えているかというと、
先ずは、カメラ側の設定をシャッタースピード「30秒」、ノイズ除去「する」にして、タイマリモコン側のインターバル間隔を「35秒」に設定します。
すると、最初の信号でシャッターが開かれ、30秒後にシャッターが閉じます。
5秒後(最初からだと35秒後)に2回目の信号が発するも、今度はカメラ側はダークノイズ処理中のため空振りとなります。
35秒後(最初からだと70秒後)に3回目の信号でまたシャッターが開かれ、30秒後にシャッターが閉じます。
これが繰り返されることになり、放置していても19分30秒後には16枚の撮影が終わることになります。
ISO1600のF5.6なら、30秒程度でヒストグラムのピークが1/4~1/3ぐらいに達してしまう光害の中での撮影です。30秒の短時間露光、多数枚撮影で、どのような撮影ができるか試していこうと思います。

blog0417.jpg
写ってないですがアルミホイルを細く捩ってジャンパーピンを作りショートさせました。

また、写真の黄色丸部の端子をショートさせるとタイマーの時間が秒から分になり、1~40分として使えるようになります。
この機能も利用できそうです。
例えば、約4分程度(ノイズ除去含めて8分)の露光撮影が必要な場合、
通常なら、カメラ側の設定をシャッタースピード「バルブ」ノイズ除去「する」にして、リモコンでシャッターを開き、ひたすらキッチンタイマーを気にしながら約4分経ったのちシャッターを閉じ、その後カメラ側は約4分ダークノイズ処理。といった流れで撮影していましたが、アイデアとしては、
まずカメラ側の設定はそのままにして、タイマリモコン側のインターバル間隔を「4分」に設定します。
すると、タイマリモコンから初回の信号が送られ1秒以内のシャッター開閉が行われ、無駄な1枚の撮影が終わります。
その刹那にリモコン(ややこしいがML-L3の方です)で、シャッターを開きます。
すると、約4分後にタイマリモコン側から2回目の信号が送られシャッターが閉じ、その後カメラ側は約4分ダークノイズ処理。といった流れです。
この方法だと、最初にシャッターを切ってしまえば、後は特に時間を気にしないで放置していても8分以降に撮影が終わっていることになり気が楽です。
2022/6/25追記)
このような面倒な事をしなくても、カメラ側のリモコンモードを「2秒リモコン」に設定すれば1~10分(1分単位)、15~40分(5分単位)の長時間露出が可能でした。


どちらの利用方法もテストでは上手くいきましたので後は夜空で本番を待つのみです。

よい利用方法を思いついたと思いますが、大抵こういうケースはアイデア倒れになるほうが多いので過度な期待はしないようにしておきます。

駄目だったら微速度撮影(タイムラプス)にでも挑戦してみよう。



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光害地で星雲・星団の探訪(番外編その3) [天文機材・道具・雑記]

2015年12月のM34から前回のM71までで110個のメシエ天体の確認をコンプリートしました。(今回も不明のメシエ天体M91はNGC4548、M102はNGC5866としました。)
ただし、光害地で星雲・星団確認数としては107個としています。それというのも、下記のブログ上に載せていなかった3個のメシエ天体は星雲・星団・(銀河)などにあてはまらない為です。

M40 (Winnecke 4) 二重星
赤経 12h22m12.5s 赤緯 +58゚04'59" (J2000) 光度 9.7等 視直径 0.9'
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2020/05/14 21h18m~ 200mmF4 f/8 ISO1600 60秒×2枚 トリミング画角2°
*65mm望遠鏡、写真で確認。
低倍率だと一見、銀河?でも中倍率で、すぐに二重星とわかる。

M40は二重星です。メシエがカタログを発行しようと考えた際、きりの良い数字にこだわっており、1660年にヘベリウスが星雲と見誤って報告したものを、二重星とわかっていながら無理やり数合わせの為に入れたようです。


M24 天の川の明部 (スタークラウド)
赤経 18h16m08.0s 赤緯 -18゚33'00" (J2000) 光度 4.6等 視直径 90'
blog0408.jpg
2021/08/04 22h45m~ 200mmF4 f/8 ISO1600 61秒+63秒 トリミング画角2°
*7×50双眼鏡、65mm望遠鏡、写真で確認。
望遠鏡の視野いっぱいに微恒星が広がり、綺麗。

M24は天の川の明部です。ガイドブックなどには散開星団のNGC6603(写真左隅に小さくぼんやりと写っている)をM24としているものも散見するが、メシエは「大きな星雲で中に多数の星」と記述しており、明らかにNGC6603とは違うようです。


M73 (NGC6994) 星群
赤経 20h58m55.9s 赤緯 -12゚38'04" (J2000) 光度 9.0等 視直径 3.0'
blog0409.jpg
2021/10/10 19h27m~ 200mmF4 f/8 ISO1600 52秒+41秒 トリミング画角2°
*写真で確認。
見えない。写真で淡く小さく写る。

M73は星群です。長年にわたり「散開星団なのか?」と議論されていたようですが、2002年に「星の距離は異なり、かつ異なる方向へ動いている」との研究発表があり結論が出たようです。つまり、見かけ上、星が集まって見えているだけの事のようです。


光害地で確認したメシエ天体についてまとめてみました

各機材ごとのメシエ天体確認数
7×50双眼鏡 → 43個/110個
65mm望遠鏡 → 65個/110個
写真機 → 110個/110個

※眼視では空の条件次第でもう少し確認数を増やせそうですが、それでも約6割のメシエ天体が確認可能でした。更に写真機を使えば光害地であっても全て確認可能でした。


眼視確認できた65個のメシエ天体内訳
散開星団 → 27個/27個
球状星団 → 23個/29個
散光星雲 → 5個/6個
銀河 → 5個/40個
惑星状星雲 → 2個/4個
超新星残骸 → 1個/1個
その他 → 2個/3個

※銀河以外のほとんどのメシエ天体は眼視確認可能でした。一方の銀河は40個の内13%しか眼視確認できず圧倒的に困難でした。


blog0410.jpg
メシエ天体以外にもまだ確認できそうな星雲・星団はたくさんあると思います。
星図と見比べながら夜空の中から星雲・星団を探すのは意外と楽しいものですし、このブログ企画が星空に興味をもち、似た環境にいらっしゃる方々の少しの参考にでもなれば幸いなのでこれからも、この「光害地で星雲・星団の探訪」は、気ままに続けていこうと思います。

なお、本ブログ上の左にある記事検索に、見たい天体を半角英数字で(MよりNGCのほうが良いかも)入力すれば比較的簡単に記事を探すことが可能と思います。


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レンズの絞り値 [天文機材・道具・雑記]

先日、ズームレンズの「AI AF Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4-5.6D」を初めて天体に向けるにあたってテスト撮影もせず、EDレンズを過信して絞り開放で撮影してしまった結果、盛大な軸上色収差の写真となってしまいました。今回改めて、テスト撮影を行い最良と思われるレンズの絞り値を模索しようと思います。

まずはネットで解像度とF値の関係などを調べてみました。
そもそもレンズの解像力は、何本/mmで表すらしいです。これは、白地に黒の線を引いて、その黒線が1mmあたり何本までかき分けることが可能かという意味だそうで、下記の計算式で求められるそうです。

理想レンズの解像力(本/mm)=1000×(1000/(1.22λF))

λは光の波長nm、FはレンズのF値。グリーン波長550nmでF1.4で計算すると、1065(本/mm)となり、F5.6で計算すると、266(本/mm)、F22で計算すると、68(本/mm)。
つまり、絞りを開けたほうがレンズの解像力は高くなるということになります。
しかしながら、これは理想レンズの場合であり、実際はレンズの収差のために絞りを開放から2~3段ぐらい絞った収差の少ないところでレンズの性能は最大となるらいです。

一方で、最終的に得られる画像の解像度は,撮影レンズと受光部の解像度で決まってくるので、ニコンD50のCCDが要求するレンズの解像度も考える必要があり、下記の計算式で求められるそうです。

CCDが要求するレンズの解像度=(1000/画素ピッチ)/2

ニコンD50の画素ピッチは約7.8μm。計算すると64(本/mm)と言うことになり、前記の計算での理想レンズの解像力F22=68(本/mm)の要求をクリアしてることになります。つまり、F22まで絞っても問題ないということになります。ところが、こちらも実際はこの式通りではなく、約1段ぐらい手前から小絞りぼけが起きるそうです。

ところで、2つの点光源の間隔を次第に狭めながらカメラで撮影すると、2つの点光源によるエアリーディスクはある時点から重なりはじめ、やがて画像上では2つの回折像が互いに重なってぼやけ始め、はっきりと分離できなくなる間隔となります。
ウィキペディアによれば、その点光源像の間隔を下記の計算式で求められるそうです。

点光源像の間隔=1.22λF

λは光の波長μm、FはレンズのF値。
分離できなくなる点光源像の間隔がセンサーの画素ピッチを超えるポイントを小絞りボケ開始F値として考えても良い?のならニコンD50の画素ピッチは約7.8μmなので、

7.8μm = 1.22×0.55μm×F値
F値 = 7.8μm/(1.22×0.55μm)
F値 = 11.6

つまりニコンD50の場合F11.6から小絞りボケが始まると考えられる?

ちょっと最後の方は、自分の理解が正しいかどうかが自信がありません。
総じて、ネットで調べるとこんな感じでした。

調べた内容を総合すると、ニコンD50の場合、分解能の点だけで考えると最大限にレンズ性能を活かす事が出来るF値はF11となるみたい?です。

あとは、実写して検証あるのみ。(なお検証は解放から小絞りボケ開始F値11.6の手前F11までとしました。)
月夜の中、全天一明るい恒星のシリウスにレンズを向け、テスト撮影してみました。
blog0361n.jpg

とくに、レベル調整やトーンカーブ調整などで強調処理をしていない画像ですがやはり、F5.6の解放では盛大な軸上色収差がみられ、予測通りF11で最良の星像となりました。ただ、意外にも2/3段絞り程度のF7.1でかなり解消されており、F9ではすでに満足のいくレベルではないかと思います。

また、星像の白く飽和した部分の直径を測定して(かなり、怪しい測定ですがあくまでも大雑把な評価です!)変化をみてみました。
blog0362.jpg
星像の大きさをみても、F5.6の解放~F11になるにつれて小さくシャープになっているのがわかります。

結論としてニコンD50とこのレンズの組み合わせでは、F11で最良の星像となることがわかりました。

でも実際には暗いため露光時間が長くなる事により赤道儀のガイドエラーやコンポジットの枚数不足などの問題もあるので、その辺も考える必要があると思います。悩ましい。


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バーティノフマスクの製作 [天文機材・道具・雑記]

前回の記事にあったバーティノフマスクとは、ロシアのバーティノフ氏により発案された、確実なピント合わせを客観的に出来る優れたピント調整用の器具です。
非常に、便利みたいなので製作しました。

まずはパラメータを入力すれば、SVG形式でマスクを生成してくれるサイトやソフトが
あったので、それを利用しました。ただし、そのままA4で印刷してもサイズがあわなかったので、「Inkspace」という無料ソフトでサイズを合わせ、さらに切り抜き易いように線画にしてから印刷しました。

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それから印刷したものと、100均の黒色画用紙を合わせて、カッターナイフで切り抜き、
ステップアップリングに張り付ければ完成です。

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フィルター径の変換アダプターを利用すれば、そのままフィルターネジでカメラレンズ前面の脱着が可能となります。(ただし、脱着時やフード取り付け時にフォーカスリングやズームリングは動かないようにテープなどで固定しておく必要があります。)

実際に撮影するとこんな感じでピント位置を確実に判断できるようになります。

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焦点外側(ピントずれてるよ~)

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焦点内側(おっと!行き過ぎた~)

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合焦点(やったージャスピン!)

今までは、星像の大きさで「なんとなくあっているかな?」というモヤモヤした感じで合わせていましたが、今回初めて使ってみたら、簡単で、さらに客観的に確実なピント合わせが可能だったので非常に便利でした。また、モヤモヤした感じも無くなり精神衛生上もいいので、これならもっと、早くから作ればよかったと思いました。

ありがとう、バーティノフさん。

blog0360.JPG

今回、フィルター径62mm(70-300mm望遠用)とフィルター径52mm(200mm、135mm他用)の2種類を製作しましたので、ピント合わせが面倒で敬遠してきたAFズームレンズも、これからは活用していこうと思います。


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