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レンズの絞り値 [天文機材・道具・雑記]

先日、ズームレンズの「AI AF Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4-5.6D」を初めて天体に向けるにあたってテスト撮影もせず、EDレンズを過信して絞り開放で撮影してしまった結果、盛大な軸上色収差の写真となってしまいました。今回改めて、テスト撮影を行い最良と思われるレンズの絞り値を模索しようと思います。

まずはネットで解像度とF値の関係などを調べてみました。
そもそもレンズの解像力は、何本/mmで表すらしいです。これは、白地に黒の線を引いて、その黒線が1mmあたり何本までかき分けることが可能かという意味だそうで、下記の計算式で求められるそうです。

理想レンズの解像力(本/mm)=1000×(1000/(1.22λF))

λは光の波長nm、FはレンズのF値。グリーン波長550nmでF1.4で計算すると、1065(本/mm)となり、F5.6で計算すると、266(本/mm)、F22で計算すると、68(本/mm)。
つまり、絞りを開けたほうがレンズの解像力は高くなるということになります。
しかしながら、これは理想レンズの場合であり、実際はレンズの収差のために絞りを開放から2~3段ぐらい絞った収差の少ないところでレンズの性能は最大となるらいです。

一方で、最終的に得られる画像の解像度は,撮影レンズと受光部の解像度で決まってくるので、ニコンD50のCCDが要求するレンズの解像度も考える必要があり、下記の計算式で求められるそうです。

CCDが要求するレンズの解像度=(1000/画素ピッチ)/2

ニコンD50の画素ピッチは約7.8μm。計算すると64(本/mm)と言うことになり、前記の計算での理想レンズの解像力F22=68(本/mm)の要求をクリアしてることになります。つまり、F22まで絞っても問題ないということになります。ところが、こちらも実際はこの式通りではなく、約1段ぐらい手前から小絞りぼけが起きるそうです。

ところで、2つの点光源の間隔を次第に狭めながらカメラで撮影すると、2つの点光源によるエアリーディスクはある時点から重なりはじめ、やがて画像上では2つの回折像が互いに重なってぼやけ始め、はっきりと分離できなくなる間隔となります。
ウィキペディアによれば、その点光源像の間隔を下記の計算式で求められるそうです。

点光源像の間隔=1.22λF

λは光の波長μm、FはレンズのF値。
分離できなくなる点光源像の間隔がセンサーの画素ピッチを超えるポイントを小絞りボケ開始F値として考えても良い?のならニコンD50の画素ピッチは約7.8μmなので、

7.8μm = 1.22×0.55μm×F値
F値 = 7.8μm/(1.22×0.55μm)
F値 = 11.6

つまりニコンD50の場合F11.6から小絞りボケが始まると考えられる?

ちょっと最後の方は、自分の理解が正しいかどうかが自信がありません。
総じて、ネットで調べるとこんな感じでした。

調べた内容を総合すると、ニコンD50の場合、分解能の点だけで考えると最大限にレンズ性能を活かす事が出来るF値はF11となるみたい?です。

あとは、実写して検証あるのみ。(なお検証は解放から小絞りボケ開始F値11.6の手前F11までとしました。)
月夜の中、全天一明るい恒星のシリウスにレンズを向け、テスト撮影してみました。
blog0361n.jpg

とくに、レベル調整やトーンカーブ調整などで強調処理をしていない画像ですがやはり、F5.6の解放では盛大な軸上色収差がみられ、予測通りF11で最良の星像となりました。ただ、意外にも2/3段絞り程度のF7.1でかなり解消されており、F9ではすでに満足のいくレベルではないかと思います。

また、星像の白く飽和した部分の直径を測定して(かなり、怪しい測定ですがあくまでも大雑把な評価です!)変化をみてみました。
blog0362.jpg
星像の大きさをみても、F5.6の解放~F11になるにつれて小さくシャープになっているのがわかります。

結論としてニコンD50とこのレンズの組み合わせでは、F11で最良の星像となることがわかりました。

でも実際には暗いため露光時間が長くなる事により赤道儀のガイドエラーやコンポジットの枚数不足などの問題もあるので、その辺も考える必要があると思います。悩ましい。


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