SSブログ
前の5件 | -

光害地で天体撮影18(IC405勾玉星雲、IC410おたまじゃくし星雲、M38) [天体観測]

今回は調子にのって無謀にも、ぎょしゃ座の淡い勾玉星雲に挑戦です。
改造カメラでも、光害地で撮るのはやや難しいようです。無改造カメラではなおさら無理と思いつつ、どの程度写るか興味があったので撮影を試みました。

IC405 散光星雲(勾玉星雲)
赤経 05h16m12.0s 赤緯 +34゚16'00" (J2000) 視直径 30.0'
IC410 散光星雲(おたまじゃくし星雲)
赤経 05h22m36.0s 赤緯 +33゚31'00" (J2000) 視直径 40.0'
M38 (NGC1912) 散開星団
赤経 05h28m42.0s 赤緯 +35゚50'00" (J2000) 光度 6.4等 視直径 21.0'
blog0451.jpg
2024/02/12 20h54m~
Nikon D50 AI AF Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4-5.6D(180mmf/4.8)
L41+STARRY NIGHT Filter
ISO800 178秒×21枚(総露出62分18秒) トリミング画角8.1°

無改造カメラなので予想通り厳しい写りとなりましたが、存在が確認できるぐらいは撮れました。
無謀な挑戦にあたりF5.6では流石に暗い為、F4との中間値F4.8としてみましたので開放値で焦点距離は180mmとなりました。このぐらいの焦点距離になると、たくさん色ムラが出てしまい、補正するのに難儀しました。

ところで、今までの写真を見ていると、やはりED(特殊低分散)ガラスを使用している70-300mmのズームレンズの方が綺麗な色合いで写りがいいです。通常光学ガラスの135mmや200mmの単焦点の方は像の歪みがなく、しかも明るいのですが色収差の為に色の再現性が良くありません。
3年前の第1回目に、このズームレンズに散々文句を言ってしまいましたが、結局はたくさん使用しているのはこのレンズでした。

上記の元RAW画像1枚をNikon「Capture NX-D」の「ニュートラル」でごく普通に現像すると下の通りとなります。
勾玉星雲はどこに?
blog0452.jpg
この日は透明度があまり良くなかったこともあり、かなり光害の影響がありました。そのためモニターが真っ白でほとんど構図確認出来ず実は予定より赤緯が30′ぐらいズレてしまい勾玉星雲が下の方に寄ってしまいました。
ただ、幸運にも意図せずM38の散開星団が写っていたので、これはこれでなんとなく体裁は整いました。


nice!(5)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

光害地で天体撮影17(NGC2237ばら星雲) [天体観測]

前回の二重星団の撮影後あまりにも空の状態がいいので、いっかくじゅう座に位置するばら星雲も撮影しました。
レンズの絞りを開放とし、ISO800への設定変更とスターリーナイトフィルターを使用し始めてから調子が良いです。更に画像処理もだいぶコツが掴めてきましたので、満を持して赤い星雲の代表的な天体にチャレンジしました。

NGC2237 散光星雲 (ばら星雲)
赤経 06h31m48.8s 赤緯 +04゚56'50" (J2000) 光度 6.0等 視直径 80.0'
blog0450c.jpg
2024/01/12 21h29m~
Nikon D50 AI AF Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4-5.6D(300mmf/5.6)
L41+STARRY NIGHT Filter
ISO800 178秒×16枚(総露出47分28秒) トリミング画角4.8°


赤い星雲が写らないと言われる無改造のカメラでも、適切な設定で複数枚撮影(RAWで)してコンポジットを行い適切な画像処理をする事によって、この程度は赤い星雲が写りました。

そもそも水素が発する赤い656.3nmの波長域は、カメラメーカー各社共にUV-IRカットフィルターでほとんどカットしています。海外のWEBサイトで見つけた透過グラフを読み取ると、その透過率はおよそSONY-14%、Nikon-22%、PENTAX-27%、Canon-29%、Fuji-44%ぐらいしかないようです。その中でもNikon機はかなり不利ですが、少ないながらも22%は透過しているので上記の写真のように、淡いですが写るのです。
もちろん改造機で撮られた写真と見比べると、だいぶ見劣りしますが、人間の目の特性からすると、これが本来の色合いに近いともいえるのではないかと思います。

一方、画像処理に関しては、無料ソフトのDSS(Deep SkyStacker)で、コンポジットなどの前処理を行い、後処理の方は主に無料ソフトのSiril (シリル)を使い、勾配補正、色補正、逆畳み込み、ストレッチ(MTF、Arcsinh stretch)等の処理を行っています。
なお、マスクなどをして特定の色(赤とか)だけを強調する処理等は好みではないので、一切していません。
また、ストレッチは、以前はステライメージ5のDDP(デジタル現像)を使っていました。ただ、星の肥大化防いでくれる代わりに星が暗くなり、低コントラストになってしまうので、その後の処理が私の技術ではなかなか上手くできず苦手でした。
その点、MTF(中間調伝達関数変換)ですと、星の肥大化は若干してしまうものの星が暗くならずコントラストが低下しないのでとても処理しやすいと感じています。
もし私のようにDDP(デジタル現像)後の処理が苦手な方がいらっしゃったら、一度MTFやArcsinh stretchを試されてもいいかもしれません。


nice!(6)  コメント(4) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

光害地で天体撮影16(NGC869・NGC884二重星団) [天体観測]

今回は、ペルセウス座に位置する有名な二重星団です。
散開星団は望遠鏡で見るだけでも楽しめるので、撮影は後回しになっておりました。

NGC869 散開星団 (二重星団(h))
赤経 02h19m00.0s 赤緯 +57゚09'00" (J2000) 光度 4.0等 視直径 30.0'
NGC884 散開星団 (二重星団(χ))
赤経 02h22m24.0s 赤緯 +57゚07'00" (J2000) 光度 4.0等 視直径 30.0'
blog0449c.jpg
2024/01/12 21h29m~
Nikon D50 AI AF Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4-5.6D(300mmf/5.6)
L41+STARRY NIGHT Filter
ISO800 178秒×8枚(総露出23分44秒) トリミング画角4.8°


思った以上に、綺麗に写りました。こうしてみると、星の色も一様ではなく、赤い星がいいアクセントで対比が美しいです。

高橋製作所のP型赤道儀で焦点距離300mm(35mm換算450mm)を、3分ノータッチガイドをするのはかなり厳しく、いつも星が流れてしまいます。ただ、NikonD50のCCDセンサーの一画素が7.8μmと大きいため、辛うじて許容できるレベルになっていました。それなのに今回は、ズレもなくガイドがバッチリ決まり、シャープな星像となりました。
ちゃんとした理由はわかりませんが、いつもセオリー通りに東側をほんの少しだけ重くなるように赤道儀のバランスをとっているのですが、今回はいつもより意識的に重くしてみたことが、好結果につながったかもしれません。
常にガイドの必要性は感じているのですが、極寒の中、ガイドアイピースを覗き続ける根性がありません。出来たらバランスの調整だけで、上手くいってくれるといいのですが・・・。



nice!(2)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

光害地で天体撮影15(NGC1499カリフォルニア星雲) [天体観測]

今回は、以前に干渉型のフィルターで撮影したことのあるカリフォルニア星雲です。その時は星雲自体は 撮れたのですが色ムラとゴーストの影響で、綺麗ではありませんでした。
もう少しだけでも綺麗に撮りたいと思い、最近お気に入りの吸収型のスターリーナイトフィルターで再挑戦しました。

NGC1499 散光星雲 (カリフォルニア星雲)
赤経 04h00m42.0s 赤緯 +36゚37'00" (J2000) 視直径 145.0'
blog0448e.jpg
2024/01/09 21h02m~
Nikon D50 Ai Nikkor 200mm F4(絞り開放)
L41+STARRY NIGHT Filter
ISO800 178秒×23枚(総露出68分14秒) トリミング画角6.4°


総露出時間が過去最長の1時間越えとなったこともあり、無改造カメラでも思った以上に赤い星雲が写りました。
1月9日は湿度90%と高めで、風もありませんが、夜露によるレンズの曇りはありませんでした。撮影場所はいつもの自宅の庭で変わらないのですが、どの様な条件の時に夜露の影響が出るのでしょうか?
また、フードの形状の違いも関係してくるのでしょうか?謎です。

ところで、今回はヒストグラムのピークが中央値をかなり超えた位置になるまで1枚当たりの露出時間を延ばしてみました。単純に比較出来ていないので効果の程はわかりません。赤い星雲の写りが良くなったような気もしますが、感覚的には何だかノイズが増えたような気もします。やっぱり、セオリー通り3分の1あたりが良いのでしょうか?(どちらにせよ、作製したタイマリモコン2(SMD版)では、1分刻みでしかシャッターを設定出来ないので狙い通りにピークの位置を決められませんけど・・・)





nice!(2)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

光害地で天体撮影14(IC434馬頭星雲、NGC2024燃木星雲) [天体観測]

1月7日は、前回と異なり、湿度68%、微風で、夜露によるレンズの曇りの心配は全くありませんでした。
ところが今度は雲が沢山あり、19枚中4枚も雲通過によりボツとなりました。なかなか上手くいかないものです。
でも、なんとか無改造のカメラでも淡いですが馬頭星雲を撮ることが出来て良かったです。

IC434 散光星雲 (馬頭星雲)
赤経 05h41m00.0s 赤緯 -02゚24'00" (J2000) 視直径 145.0'
NGC2024 散光星雲 (燃木星雲)
赤経 05h41m32.3s 赤緯 -01゚50'41" (J2000) 光度 8.0等 視直径 30.0'
blog0446e.jpg
2024/01/07 22h08m~
Nikon D50 AI AF Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4-5.6D(300mmf/5.6)
L41+STARRY NIGHT Filter
ISO800 178秒×15枚(総露出44分30秒) トリミング画角4.6°


スターリーナイトフィルターの露出倍数は1.3倍(+1/3絞り=+0.33EV)との事ですが、実際に天体撮影に使ってみると+0.76EVぐらいあり、約1.7倍(+2/3絞り)の露出時間がかかっているみたいです。
もしかしたら1.3倍は無光害地での値で、この差が光害分という事なのでしょうか?とにかく謎です。


ところで上記の元RAW画像1枚をNikon「Capture NX-D」の「ニュートラル」でごく普通に現像すると下の通りとなります。光害に紛れて馬頭星雲の存在は全くわかりません。辛うじて燃木星雲が写っている程度です。また、背景は光害カットフィルターを使用しているため、青カブリしています。
blog0447.jpg
暗い中、この画像をD50の小さな2.0 型モニターで確認すると、眩しすぎてほぼ真っ白に見え、明るい恒星が数個確認できる程度となります。構図が合っているかの確認すら困難です。星雲が写っているかも判らず、徒労になってしまうかもしれない中、撮影を続けるのは気が進みませんが仕方がないです。
でも、複数枚撮影(RAWで)したものをコンポジットして、適切な画像処理をする事によって、うまくすれば星雲が浮かび上がってくるので、ビックリです。

これから光害地で天体撮影を始めてみようと思う方は、アストロアーツさんが天体写真入門で「天体画像がきれいに仕上がるかどうかを左右する決め手は、撮影50%、画像処理50%」と言っているように、画像処理もかなり重要で他の写真の分野とはかなり異なっている事を、始めから念頭に置いたほうがいいと思います。



nice!(3)  コメント(4) 
共通テーマ:趣味・カルチャー
前の5件 | -

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。