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光害地で星雲・星団の探訪(番外編その2) [天文機材・道具・雑記]

光害地の自宅よりどれだけの星雲・星団が確認できるかを、主に下記3個の接眼鏡を使用して、おこなっています。
(先日撮影したM35の写真で、それぞれの実視界をイメージしてみました。)

K 25mm
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ケルナー式です。接眼側レンズが色消し2枚構成となっており光学性能が良いです。見掛け視界は42°でノーブランド品です。口径65mm焦点距離500mmの望遠鏡で使用すると、20倍で実視界2.1°ひとみ径3.3mmとなります。

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実視界が2°以上あるので、天体導入用として必ず使用します。視直径の大きな散開星団などは、このまま見るケースが多いので、結果、使用頻度が一番高いです。


Or 18mm
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アッベ式のオルソスコピックです。高級品で、対物側のレンズが色消し3枚の貼り合わせ構成となっており、極めて光学性能が良いです。見掛け視界は45°でタカハシ製です。口径65mm焦点距離500mmの望遠鏡で使用すると、28倍で実視界1.6°ひとみ径2.3mmとなります。

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ひとみ径が2.3mmなので、K 25mmより背景が暗くなりほとんどの天体はコントラストが高くなり見やすくなります。この辺りのひとみ径が星雲・星団を見るのには最適かもしれません。


Or 12.5mm
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こちらもアッベ式のオルソスコピックです。見掛け視界は41°でノーブランド品ですが
メーカー品と遜色ない見え味です。口径65mm焦点距離500mmの望遠鏡で使用すると、40倍で実視界1.0°ひとみ径1.6mmとなります。

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小口径の望遠鏡でひとみ径が1.6mmともなると、だいぶ暗く逆に天体は淡くなり、やや見えにくくなってきます。ただ、M1のように倍率を上げたほうが視認しやすくなるものもあるので、一概には言えません。また、上2つの接眼鏡にくらべアイポイントも低いので覗くのに慣れが必要です。



2015年12月から始めた新企画「光害地で星雲・星団の探訪」での写真は、「上が北」「トリミングする画角は2°」になるべく統一しようと思います。
上記の実視界のイメージが少しの参考にでもなれば幸いです。


光害地で星雲・星団の探訪(番外編その1) [天文機材・道具・雑記]

光害地の自宅より、どれだけの星雲・星団が確認できるか挑んでいます。


確認方法としては下記の3つの方法です。

1.双眼鏡での眼視確認
2.望遠鏡での眼視確認
3.写真での確認

使用する機材はどれも小さく、古いものですが、果たしてどの位確認できるでしょうか?

このブログ企画が星空に興味をもち、似た環境にいらっしゃる方々の少しの参考にでもなれば幸いです。


1.双眼鏡

視界の広い双眼鏡で、肉眼では見えない星雲や星団を探索します。

Nikon 7x50 SP防水型
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口径50mm、7倍で実視界7.3°の双眼鏡です。
7倍といえども、疲れてくると手ぶれが気になるので三脚に固定して使うことが多いです。
星雲・星団の実視確認用としては勿論ですが、望遠鏡で天体を探すときの下調べ用として、まわりの星の並び方を確認するのにも重宝します。案外、天体の導入が楽になり能率があがります。


2.望遠鏡

何十、何百、何千万年という時空を旅してきた光を、レンズを通して肉眼で捕えます。

高橋製作所 TS式65mm屈折赤道儀P型
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口径65mm焦点距離500mm(口径比1:7.7)の屈折式で、ファインダーは口径25mm、5倍で実視界9°です。
架台は赤道儀なので、写真機での撮影にも使えます。
この赤道儀には目盛環が付いていないのですが、ファインダーの「実視界9°」を目盛がわりに利用して、目標天体とほぼ同じ赤経(もしくは赤緯)上にある近くの明るい恒星から、赤緯(もしくは赤経)差分視野を目分量で動かし導入しています。


3.写真機

焦点距離200mmの望遠レンズで、自分の肉眼で捕えることが出来ない微かな天体の光を、高感度の電子の眼「CCD」で捕えます。

Nikon D50
AI Nikkor 200mm F4
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610万画素、APS-CサイズのCCDセンサーを持ったニコンの一眼レフカメラです。
10年以上前の代物でピクチャーコントロール非搭載です。しかしRAWで撮影して、無料ソフトのニコン「Capture NX-D」で現像すれば、最新のD5やD500などに搭載されているピクチャーコントロールを適用できます。
写真はノイズ除去「する」で撮影し、ソフトで高感度ノイズ低減を「弱め」相当、それから露出補正をしてピクチャーコントロールの「モノクローム」であっさり現像してます。



説明もなく今回も突然始まった新企画「光害地で星雲・星団の探訪」について

2011年~2014年にかけて「光害地で星空探訪1~16」という題目で110個のメシエ天体の確認をしましたが、今回は仕切り直しでメシエ天体以外の星雲・星団も含めていこうと思います。
前回より出来るだけ眼視確認にこだわっていこうと思います。また、写真については、もう少し統一感を出そうと努力していきます。

「110個」というような、明確な目標となる終わりがないので気負わず焦らず気ままにやっていこうと思います。





光害地で星空探訪に使用している望遠レンズ [天文機材・道具・雑記]

ニコンのMFレンズ Ai Nikkor 200mm F4 です。5群5枚のテレフォトタイプで、前面部の3枚は、両凸、両凹、凸メニスカスの順で構成されています。これって、主鏡65mmセミ・アポクロマートの両凸、両凹、両凸の構成と少し似ている感じです。レンズのことは、全くわかりませんが、なんとなく色収差などがこれで良く補正されるのではないかと思います。
とは言っても古いレンズ、最新のEDレンズに比べたら、色収差は多いと思います。絞り開放で撮影すると青紫色のフレアが出ます。F5.6に絞り込むと減少し、F8まで絞り込むと概ねなくなり、シャープになります。F11だと暗すぎるので、F8ぐらいまでで使うことが多いです。それに、ケンコーのL41フィルターを使って軽減しています。

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エツミの縦位置L型ブラケットを介し、ニコンD50を写真のように望遠鏡に同架しているので、横アングルで写真の上が北になるようになります。この場合、望遠鏡のバランスは取れないので、バランスウエイトを1.4kg追加してます。
主望遠鏡&ファインダーとカメラレンズの光軸を平行に合わせておき、望遠鏡で捕えた天体などをついでにカメラで撮影しています。
シンプルな撮影システムなので、思い立ってから撮影まで比較的に短時間で出来ていると思います。



彗星の光度測定について [天文機材・道具・雑記]

昨日のアイソン彗星の観測で、バーストを起こし5等台になったといわれていたのに、光度測定の結果が6.5等だったので原因を考えてみました。
以下は自分なりの考えなので、正確ではないかもしれません。
解析に使ったステライメージではRAWファイル(現像なし/ベイヤー配列)なら正しい測定ができるそうなので、RAWファイルのベイヤー配列で測定をしました。
標準星は5個で行いました。そのときの画面が下の画像で、光度6.490等と結果がでました。
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ここで気になったのが、画面上の濃いピンクの線と薄いピンクの線です。濃いピンクが、恒星/天体径を表しているようです。すべて、自動で範囲を指定してくれるのですが、どうもあきらかに線からはみ出しているようです。つまり、中心しか計測の対象になっていないので、どちらかといえば、彗星の全光度ではなく核光度を計測したような感じだったようです。

半自動にして自分で範囲を設定できるみたいですが、よくわからないので自信がありません。

そこで、RAWファイルの現像なしで再度光度計測をおこなってみました。もちろん、同じファイル・同じ標準星5個です。
すると光度5.769等と結果がでました。そのときの画面が下の画像です。
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同じ写真なのに、異なった結果がでました。
ベイヤー配列のとき気になっていた画面上の濃いピンクの線は、彗星からはみ出していないようにみえます。このほうが、核とコマを含んだ全光度に近い結果(尾は含まれないので)が得られそうです。

この方法で今年の1月12日のリニア彗星の光度も再度測定してみたら結果は10.9等でした。


双眼鏡の絞りの工作2 [天文機材・道具・雑記]

仕事帰りに、近くのホームセンターで物色していたら、黒色の発泡PPシートなるものを見つけました。双眼鏡の絞りにちょうどいいみたいなので、早速購入して前回同様35mmと25mmの二段の絞りを製作しました。これなら塗装の手間が省けるし、夜露にも対応できます。

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絞りの位置の関係上フードの必要性を感じたので、実際は巻き付けフード(いままでほとんど使っていなかった)をつけて使います。

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ひとみ径は、30cmほど離れたところから接眼レンズを見ると、明るい円形として確認できます。
通常7倍50mm双眼鏡は、ひとみ径が7.1mm(明るさ50.4)なので下の写真のようなイメージです。

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絞りを入れると下の写真のイメージようにひとみ径が小さくなったことが確認できます。
左が1段絞りの7倍35mm双眼鏡(ひとみ径5mm・明るさ25)、右が2段絞りの7倍25mm双眼鏡(ひとみ径3.6mm・明るさ12.8)です。

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前回の急ごしらえの絞りよりマシになったので、これでひとみ径と微光天体の見やすさの関係をよく調べてみよう。

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