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厳冬期の赤岳12月30日 [山行記]

寒さのため昨夜は良く眠れませんでした。朝6時、目が覚めると、テント内は真っ白く一面霜で覆われています。この時期のテント生活は不快極まりないです。
朝食のうどんを食べ、支度を始める。足を冷たくなった靴に入れると、もう山に登りたくない気持ちでいっぱいになってしまう。寒さで行動が鈍く支度の時間がかかり、テントを出たのが8時です。天気は良く、真っ白い赤岳西壁の全容が見えますが、今日も稜線は雪煙が舞っていて風が強そうです。文三郎道より登ることにしました。本当に登れるだろうかと不安になりながらも中岳沢を進みすぐに左手の尾根に取り付きました。登るほどに斜度が強くなるので、アイゼン、ピッケルを使い一歩ずつ確実に高度を稼いでいきます。

今年は例年にない大雪で、鉄製の階段や鎖は雪に覆われ何処にもありません。横を振り返ると、中岳、阿弥陀岳が白く輝いて綺麗です。

やがて、南東方向へと山腹をトラバースするのですが、ここは猛烈な風でなかなか前に進めず、手足が痛いほど冷えます。本気で引き返そうと思ってしまうほど気分が萎えましたがなんとか越せました。ああ、でも、ガスってきてあたり一面真っ白になってしまいました。
ここからは、南峰へ突き上げるリッジを南面から巻いていきます。いつもなら、岩と氷のミックスした鎖場で嫌な感じの場所ですが、ほとんど雪で埋まっており、斜度のきつい雪面となっていて登りやすかったです。もちろん、右手は立場川源頭へ鋭く切れ落ちているので慎重に足を運ばないと滑落します。
ほどなく、主稜線に達して、少し進むと標高2899mの赤岳山頂に達しました。時刻は10時でした。

登頂と同時にガスが切れて南アルプス、奥秩父の山々、横岳、北アルプスなど360度の大展望が楽しめました。

やっぱり私は晴れ男だったのでしょうか、いいタイミングです。諦めず登ってきた甲斐がありました。


遠くに見えるのは南アルプスです。


厳冬期の赤岳12月29日 [山行記]

192時間・・・、1ヶ月の定時間外労働時間です。考えられませんこの状況!ここ3ヶ月で、日曜日に休めたのが一日、毎日が深夜に及ぶ残業、それでも溜まる仕事・・・。当然、年末の連休も出勤しなければならない状況でしたが、やってられません!職務放棄で、厳冬期の八ヶ岳主峰、赤岳に登ることにしました。
いきなり愚痴をこぼしてしまいましたが、一人で厳冬期の山をのぼらなければおさまりのつかない何かが、私のなかにあるのです。

美濃戸口から今日の幕営地の行者小屋に向かいました。天気はあまり良くないようで、赤岳山荘付近から阿弥陀岳は見えませんでした。美濃戸山荘で、お茶をご馳走になり、そこから南沢のコースをとりました。
テントを担いでいるせいか、久しぶりの山行のせいか判りませんが、行者小屋までかなりバテました。白河原付近を通過したころから天気が回復してきたようで行者小屋に着いた時は赤岳から横岳が一望できました。

稜線は雪煙が舞っていて風が強そうです。この日、地蔵ノ頭付近で退き返された方もいるようです。雪の量も例年より多いようで、明日、登れるか不安です。
テントを張り中に入ると、暖かく感じました。でも、温度計をみると-11℃です。外気温-16℃との温度差と風を受けないことによるもののようです。早めに夕食を摂り、就寝しました。


焼岳 [山行記]

8月12日に北アルプス唯一の活火山、焼岳に登りました。
天気はあまり良くなかったので、頂上からの展望は楽しめませんでしたが、頂上付近は所々噴気口よりガスが噴出したりしていて大地の息づかいを感じたひとときでした。

下山をはじめた11時すぎには大気の状態が不安定となり、下の写真を撮影したころは飛騨側の遠くで雷鳴がしてました。この後、数時間もしないうちに雷雨となりました。登山中の雷は本当に怖いです。

今回の山行で、深田久弥の百名山で北アルプス15座のすべて登ったことになりました。
次は、南アルプスかな?。


奥穂高岳(3日目) [山行記]

3時起床、朝食を済ませテントを撤収するが、バリバリに凍りついていたのでてこずりました。
4時すぎに出発、今日は上高地までの2時間たらずの行程です。
小鳥の囀りだけがきこえる、朝の静かな山歩きを堪能しました。
6時10分上高地到着。
河童橋にある上高地ライブカメラに写ろうと7時まで、河童橋周辺をウロウロとする。
7時近くなり橋にもどると、驚いたことに私と同じ考えをしている人たちが橋のまわりに集まってきた。私を含め皆、設置してある小さいカメラの方を見つめているので、この事情を知らない人たちは、不思議そうにこちらを見ている。確かに知らなければ異常な集団に見えると思う。
7時2~3分が過ぎ、たぶん写ったと思うので、帰途につく。

帰宅後、早速ネットで上高地ライブカメラの7時の写真をみる、「おお、写ってる!」。



奥穂高岳(2日目) [山行記]

深夜、起きてテントの外に出ると、星座がわからないほどの満天の星空です(天の川も見える)。今日の晴天を確信しました。
少し寝坊してしまいましたが、簡単な朝食を済ませ5時出発。ここから本格的な登りとなります。昨日より荷が軽くなったとは言え、つらいです。
ピッケルとアイゼンをきかせながら、緩慢な動作で高度を稼ぎます。
雪崩の危険性もあるので、小豆沢ではなくザイテングラードのルートをとります。
途中、幸運なことに雷鳥を見ることが出来ました。

7時50分に標高2983mの白出のコルに到着。ここから先の50mぐらいの岩稜帯が核心部です。とくに、上部の急な雪稜は滑落したら助からないと思います。
下をみると目が眩むような高度感で、緊張の連続でしたがなんとか越せました。
後ろを振り返れば、槍ヶ岳がみえます。
風が強いですが、快適な稜線の歩きが続き8時55分に標高3190mの頂上に着きました。
360°の大展望で最高の気分ですが、思ったより霞がかかっていました。

下山は、白出のコルより途中尻セードを行いながら、25分で涸沢のテント場に着きました。尻セードは楽しいですね。
しばらくのんびりしてから、テントを撤収して下山。
16時すぎ、徳沢に2日目のテントを張りました。