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光害地で天体撮影14(IC434馬頭星雲、NGC2024燃木星雲) [天体観測]

1月7日は、前回と異なり、湿度68%、微風で、夜露によるレンズの曇りの心配は全くありませんでした。
ところが今度は雲が沢山あり、19枚中4枚も雲通過によりボツとなりました。なかなか上手くいかないものです。
でも、なんとか無改造のカメラでも淡いですが馬頭星雲を撮ることが出来て良かったです。

IC434 散光星雲 (馬頭星雲)
赤経 05h41m00.0s 赤緯 -02゚24'00" (J2000) 視直径 145.0'
NGC2024 散光星雲 (燃木星雲)
赤経 05h41m32.3s 赤緯 -01゚50'41" (J2000) 光度 8.0等 視直径 30.0'
blog0446e.jpg
2024/01/07 22h08m~
Nikon D50 AI AF Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4-5.6D(300mmf/5.6)
L41+STARRY NIGHT Filter
ISO800 178秒×15枚(総露出44分30秒) トリミング画角4.6°


スターリーナイトフィルターの露出倍数は1.3倍(+1/3絞り=+0.33EV)との事ですが、実際に天体撮影に使ってみると+0.76EVぐらいあり、約1.7倍(+2/3絞り)の露出時間がかかっているみたいです。
もしかしたら1.3倍は無光害地での値で、この差が光害分という事なのでしょうか?とにかく謎です。


ところで上記の元RAW画像1枚をNikon「Capture NX-D」の「ニュートラル」でごく普通に現像すると下の通りとなります。光害に紛れて馬頭星雲の存在は全くわかりません。辛うじて燃木星雲が写っている程度です。また、背景は光害カットフィルターを使用しているため、青カブリしています。
blog0447.jpg
暗い中、この画像をD50の小さな2.0 型モニターで確認すると、眩しすぎてほぼ真っ白に見え、明るい恒星が数個確認できる程度となります。構図が合っているかの確認すら困難です。星雲が写っているかも判らず、徒労になってしまうかもしれない中、撮影を続けるのは気が進みませんが仕方がないです。
でも、複数枚撮影(RAWで)したものをコンポジットして、適切な画像処理をする事によって、うまくすれば星雲が浮かび上がってくるので、ビックリです。

これから光害地で天体撮影を始めてみようと思う方は、アストロアーツさんが天体写真入門で「天体画像がきれいに仕上がるかどうかを左右する決め手は、撮影50%、画像処理50%」と言っているように、画像処理もかなり重要で他の写真の分野とはかなり異なっている事を、始めから念頭に置いたほうがいいと思います。



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光害地で天体撮影13(M45すばる(プレアデス星団)、M42オリオン座大星雲) [天体観測]

1月5日は、雲も無く透明度も良いみたいでしたので、前回と同じく「スターリーナイト」という光害フィルターを使い天体写真を撮りました。
目標天体のM45にカメラを向け、インターバルタイマリモコンを3分にセット後直ぐに室内に戻りコーヒーを飲みながらのんびりしていたんですが、ここで問題が発生しました。
10枚程度撮影が終わったころ様子を見に行くと、なんとレンズが夜露で曇っていました。
撮り直す気力も無く、絶望感の中、団扇で気長にレンズを扇ぎながら残りの3枚を撮りました。でも、後で画像処理してみると、全体的に少しボケた感じになってしまったものの、思ったよりも影響は少なかったので良かったです。

M45 (Mel 20) 散開星団 (すばる(プレアデス星団))
赤経 03h47m07.0s 赤緯 +24゚07'40" (J2000) 光度 1.6等 視直径 120.0'
blog0444e.jpg
2024/01/05 21h13m~
Nikon D50 AI AF Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4-5.6D(300mmf/5.6)
L41+STARRY NIGHT Filter
ISO800 178秒×13枚(総露出38分34秒) トリミング画角4.6°


M42 (NGC1976) 散光星雲 (オリオン座大星雲)
赤経 05h35m13.8s 赤緯 -05゚24'25" (J2000) 光度 4.0等 視直径 66.0'
blog0445e.jpg
2024/01/05 22h41m~
Nikon D50 AI AF Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4-5.6D(300mmf/5.6)
L41+STARRY NIGHT Filter
ISO800 178秒×12枚(総露出35分36秒) トリミング画角4.3°


団扇でレンズを扇ぎながら、M42の撮影もしてみましたが、幾ら扇いで曇りを取っても直ぐに曇ってしまいました。レンズヒーターが無いと駄目なようです。結果こちらも、なんだか少しボケた写真となってしまいました。
100均の湿度計は何と湿度96%を示していました。ほぼ、無風状態だった事も重なり、最悪の条件下での撮影となってしまったようです。


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光害地で天体撮影12(NGC7000北アメリカ星雲、M31アンドロメダ座大銀河) [天体観測]

風が強く、透明度も良くない悪条件ではありましたが、久しぶりに天体写真を撮りました。
今回は、かなり以前に入手していたケンコーの「スターリーナイト」という光害カットフィルターを初めて使用してみました。

NGC7000 散光星雲 (北アメリカ星雲)
赤経 20h58m17.9s 赤緯 +44゚27'30" (J2000) 光度 5.0等 視直径 120.0'
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2023/11/07 20h53m~
Nikon D50 Ai Nikkor 200mm F4(絞り開放)
L41+STARRY NIGHT Filter
ISO800 118秒×18枚(総露出35分24秒) トリミング画角6.3°


M31 (NGC224) 銀河 (アンドロメダ座大銀河)
赤経 00h42m42.0s 赤緯 +41゚16'00" (J2000) 光度 3.5等 視直径 178.0'
blog0443e.jpg
2023/11/07 22h22m~
Nikon D50 Ai Nikkor 200mm F4(絞り開放)
L41+STARRY NIGHT Filter
ISO800 118秒×18枚(総露出35分24秒) トリミング画角7.2°


「スターリーナイト」という光害カットフィルターは、背景のカラーバランスも取り易く、露出倍数も1.3倍(+1/3絞り)と少ないので非常に扱いやすく感じました。比較は出来ていませんが効果も結構あるのではないかと思います。(従来あるような干渉型ではなく吸収型であるため、焦点距離に制限が無いのもポイントですね。)
また、今までISO1600で撮影していましたが、今回はISO800に変更してみました。ダイナミックレンジの狭い古いNikonD50ですが、少しでも広げたいこともあり、またノイズも下げたかったので試してみました。そのため、F値は大きくする必要性が生じたので、開放での撮影となりました。
それらも、功を奏したのでしょうか、星像は悪くなりましたがS/N比の高い天体写真が撮れたと思います。(あくまでも自分撮影比で・・・)


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光害地で星雲・星団の探訪34 [天体観測]

天気は良いのですが、春霞で非常に透明度が悪い上に、光害の反射で空がとても明るい状態でした。当然眼視では春の銀河は確認出来ませんでしたが、それでもなんとか写真でスピンドル銀河捉えることができました。
また、双眼鏡でかみのけ座星団はよく見えましたが、写真はいつもの通り2°の画角でトリミングしたので、よくわからないものになってしまいました。

光害地で星雲・星団確認数  156 (2015年12月~)
内訳:双眼鏡で確認59、望遠鏡で確認88、写真で確認156

NGC3115 銀河 (スピンドル銀河)
赤経 10h05m14.2s 赤緯 -07゚43'03" (J2000) 光度 9.2等 視直径 8.3'
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2023/04/20 21h22m~ 200mmF4 f/8 ISO1600 30秒×2枚 トリミング画角2°
*写真で確認。
見えない。写真でなんとなくレンズ状銀河であることがわかる。


Mel 111 散開星団 (かみのけ座星団)
赤経 12h22m30.3s 赤緯 +25゚50'42" (J2000) 光度 1.8等 視直径 275.0'
blog0441.jpg
2023/04/20 21h39m~ 200mmF4 f/8 ISO1600 43秒+40秒 トリミング画角2°
*7×50双眼鏡、65mm望遠鏡、写真で確認。
双眼鏡の視野いっぱいにみえ、V字の星の配列が印象的。


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ZTF彗星(C/2022 E3)の光度測定 [天体観測]

18年前の天体画像処理ソフト「ステライメージ Ver.5」は、測光用のソフトウェアとしても利用できるのですが、変光星はともかく彗星に関しては扱いが難しく、今まで満足のできる測定結果を得られませんでした。
1月30日に観測したZTF彗星(C/2022 E3)の光度測定にあたり、今回は工夫して自己流で測定設定値を決めたところ、今までより良好と思われる測定結果が得られました。

方法としては、先ずはRAW画像を普通にカラー現像して、モノクロモードにします。そして反転してから、下記のように256諧調を減らし、彗星の範囲が判りやすいようにします。
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この状態で、光度測定の設定値を慎重に決定していきます。(この作業で、測定結果の精度が左右されそうです。)
濃いピンク色の線の内側が彗星の光度としてカウントされるようなので、数値を上下させながら収まる半径ピクセルを決めます。
この時、たいてい彗星の核から測定中心が偏心しているので、その中心座標値を覚えておきます。
また薄いピンク色の細いリング内が、背景としてカウントされているみたいなので、影響を受けないように彗星からやや離れた位置にSKY内径を決定します。
もちろん、この細いリング内に恒星が入ってしまうと、結果に影響が出るので、入らないような位置にします。(ステライメージの説明書にはこれらの線が何を意味しているか記載されていなかったので、最近まで理解出来ていませんでした。まあ、今でもこの理解で合っているか自信はありませんが・・・。)
光度測定の設定値を決めたら一度ファイルを閉じて、事前準備完了です。
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天文ソフトなど(私の場合は無料ソフトの「Cartes du Ciel」)で、彗星周辺の即知の恒星の「Visual magnitude」(実視等級)を数個調べます。
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今度は光度測定のため、先ほど開いたRAW画像をベイヤー配列で開きます。
この時注意すべき点は、ベイヤー配列の画像は少しだけ現像画像より余計に大きいので、4辺をカットしてサイズを現像画像サイズと同じにします。
測定方法は自動を選択して、先ほど調べた標準星の光度を入力していきます。
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数個の標準星の光度入力が終了したら、対象を天体に切り替え、測定方法を半自動に選択し直し半径設定値が、先ほどの設定値になっているかを確認した後に、事前準備段階で調べた測定中心座標をクリックすれば、彗星の光度が表示されます。
blog0439.jpg


1月30日の20時36分のZTF彗星(C/2022 E3)の光度測定結果は「5.091」でした。
まあ精度を考えると、四捨五入して「5.1」といったところでしょうか。

5等前後まで明るくなると予想されていたとのことなので、この結果は良好なのではないでしょうか?

なお、自動で測定すると8.5等と、とんでもなく予想値からかけ離れた結果になってしまいます。



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